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8.ひーちゃんのこと(入院生活3日目)
ひーちゃんは私が小学校低学年の頃から知って
いる小学4年生(2つ年下)で、私と同じ患者会
に入っている。
ひーちゃんは私と同じ病気ではないのだが、低
身長の病気を持っているので、ひーちゃんも骨
延長をしたい、と患者会でいつも言っていた。
そんなひーちゃんは、1年以上前から私も入院す
る予定の病院にとっくに入院していて、もうと
っくに骨延長を始めていた。
母とひーちゃんのお母さんはメールが繋がって
いて、何回かひーちゃんのお母さんからは母に
メールが入った。
そのメールの内容は、ひーちゃんの入院がどう
とか、今度の患者会がどうとか、そのような内
容のメールだ。
私が小6の時に、ひーちゃんのお母さんと病院で
偶然会った時、ひーちゃんのお母さんがひーち
ゃんの骨延長が上手くいっていないと言った。
ひーちゃんは脛骨という骨が伸びず、腓骨とい
う骨だけが伸びていたという。
脛骨というのは、膝下の骨の中で1番太い骨で、
1番軸になっている骨のことだ。
1番と言っても、膝下からの骨は人間は2本しか
ないので、残りの腓骨が脛骨よりも細いのだ。
ひーちゃんの場合その腓骨だけが伸び、脛骨は
伸びなかった。
すると骨のバランスが悪くなるので、ひーちゃ
んはリハビリができない為、ずっと病院で様子
を見ながら車椅子生活をしている。
退院の見通しもなく、ずっと車椅子で生活して
いるのだ。
だがひーちゃんは、肢体不自由施設が楽しいと
言って、何も苦しいことはないと言う。
確かに、ひーちゃんはリハビリもすることがな
いので、脚の痛みも感じないかもしれない。
しかしひーちゃんがこのまま車椅子だったら、
中学校は院内学校に行くとしても、高校は通信
制高校になる。
大学も行くことができない可能性が高い為、高
卒で働くことになる。
更に、もしひーちゃんが歩くことができるよう
になったとしても、車椅子生活を再び始める可
能性がある為、就職の面接では上手くいかない
かもしれない。
私の母は、そんなひーちゃんの話をひーちゃんのお母さんから聞き、骨延長のリスクのことを考えないと、ひーちゃんのように長く入院することになったり、元の生活に戻れないかもしれないと思ったそうだ。
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