4.中学校入学

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4.中学校入学

小6の夏に、同じ学年に私と全く同じ病気の男子 が同じ中学校に入ることを知った。 私はそのことで、全く同じ扱いをされないか不 安になった。 というのも、私の軟骨無形成症にも個人差があ って、合併症がない人は私よりも健常者と変わ らない生活ができるからだ。 そう思いながらも、小6の秋に中学校を見学し た。 すると案の定、その軟骨無形成症の子の父親が 同じ日に見学をしに来ていたのだった。 つまりは、学校の先生が同じ軟骨無形成症の親 だから、同じ日の方がいいだろうと思っていた ということだ。 だが来ていたのは父親だけで、その軟骨無形成 症の子は来ていなかった。 相談室に私と母とその父親が集められ、学年主 任の先生に色々と質問をされた。 運動会はどうしていたのか、遠足はどうしてい たか、歌の集いはどうやったか、私はその質問 に全部答えた。 そのお陰で、その父親は自分の息子の話をしな くても済んでしまった。 母は自分の娘ばかり話させて、一体この父親の 息子は何をしているのかと思ったそうで、「息 子さんは今何をしているんですか」と聞いた。 すると、その父親が「息子は今、塾に行ってい る」と言ったのだ。 これには私も、少しイラッとしてしまった。 大事な時に塾に行かなくても、塾なら日を変更 すればいいだけと思ったからだ。 春になって、私は中学生になった。 教室は1階にしてもらって、隣のクラスにはあの 軟骨無形成症の男子が居た。 私は軟骨無形成症でも男子だと言ったので、私 よりも背が高いと思っていたのだが、彼は私の 小4の頃の身長よりも低いくらいだった。 逆にその彼の方が驚いていて、彼も当然自分の 方が背が高いと考えていたからだ。 でも普通に考えれば、ただ彼の成長期がまだ来 ていないだけで、すぐに私の背を追い越すの だ。 なのに、彼は私が自分よりも背が高いというこ とで、強いライバル心を抱いてしまった。 中学校最初の体力テストでは、全て私の方が結 果は平均点寄りだった。 私は何も考えずに体力テストをやっていたのだ が、彼は私の結果が自分より上回ることを予想 済で、私に少しでも追いつきたくて必死になっ てやったそうだ。 他にも体育の授業といい、水泳の授業といい、 更には勉強までも、彼は私に勝とうとしてい たのだった。
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