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シューちゃんは、どこかで見たことがあるような気がした。
「ワケェの、名前は?」
「茗荷冴月といいます。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いって・・・こんな店に、そんな言葉は似合わん。気楽に話せよ。」
シューちゃんは、かなり酔いが回ってるらしく、酒臭い息で俺に顔を近づけ絡んで来た。
「ちょっとシューちゃん、お兄さん、初めてなんだから。」
女将さんは俺に苦笑する。
「別に、気にしませんから。楽しくていいです。」
俺が、そう言うと、シューちゃんはケラケラと声を上げて笑い
「いいねえ。サツキって言ったか?サツキは僕を知ってるか?」
と聞く。
「もしかすると・・・小説家じゃありませんか?」
「おう!知ってるな?」
「でも彼はとっくに亡くなったはず・・・」
「そうそう・・・女と自殺して・・・」
「やっぱり。えっ?どういうことですか?」
「ここはね、君。死んでも遊びに来ることができる店なんだよ。」
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