気弱な僕の影の話

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やっぱりね怖いと思うんですよ。 高いですよねアレ。 何と言うかこう、角度がね、ハンパネェというか。 だからなんでしょうけど。 アニメとかでも出てきたらクローズアップされるわけじゃないですか。 高さとか怖さとかが。 映画だってそう。 主人公の逃亡の果てや、冒険の末にこれ見よがしに現れる。 まるで絶望をあおるようかに。 ま、大概何とかなっちゃうところが嘘くさいんですけどね。 私には。 実際はそんなもんじゃないですよ。 ふいにあらわれたらそりゃもう怪我はおろか命だって、ねぇ。 恐ろしいものですよ。 崖って。 ん?違う? こりゃ失敬、失敬。 でもね、私にはどうでもいい事なんですよ。 貴方にとって良くない? 知りませんよそんな事。 それって優先してませんかね。 自分の主張って奴を。 誰だってそうだ。 他より自分。 自分が優先される。 そりゃ時として違うんでしょうけど、主には違うでしょう? 何をどう言おうが自分ってものを大事にする、したい。 そんなものですよ人間なんてね。 だから優先している訳ですよ私は。 お前は誰だって? そりゃあ。 まぁ、内緒にしておきましょう。 でもね。 いるんですよあなたにだってね。 先頃だってあったでしょ。 陰惨な事件がね。 アレも同じ。 いるんですよ誰にだってね。 どんなに善人ぶろうが、星人君主面してもね。 一枚引っぺがせば、ね。 だからあんただって本当は。 何で倫理観や道徳なんてもので抑え込もうとするんでしょうかね。 理解に苦しますよ私は。 は、わからない。 わかるようにしてあげましょうか。 貴方の心に囁いて、ね。 おっといけねどうやら時間のようだ。 まったく困った奴だ。 いつもゆっくりさせてくれない。 アイツも邪魔だ。 そうすりゃもっと。 あらあら時間のようですね。 では失敬。 こんどはあなたの中の方とお話ししたいものです。 常識人の中にある本音をじっくりと、ね。 ではごきげんよう。
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