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停車したトラックから次々と武装した集団が出てきた。
そして瞬時に私の周りを囲った。
皆、それぞれ恐ろしい武器を手にしていた。
ただ一つ共通点があるとすれば、コイツらは同じキツネのお面を被っていた事ぐらいだろうか。
マダム・ドラゴンの手下にしては何か違う雰囲気を感じた。
だけど、ここにはラッキーがいる。
奴がいる以上、コイツらはウロボロスだということは間違いなかった。
「ったく、どーしてくれんだよ。俺の可愛いハーレーをパンクさせやがって」
ラッキーは少し苛立ちながらキツネ達の群衆を掻き分けて、私の前へと現れた。
「でも……こうしてあんたと巡り会えた。まさに棚からおはぎだな」
「それを言うなら棚から牡丹餅よ」
「へっ、相変わらずいいお勉強になるぜ」
そう言って、ラッキーは両手の拳銃をグルグルと回しながら私に向けて構えた。
「ウロボロスは今度はあんたに幾らあげるつもりなのかしら?」
私の問いかけにラッキーは鼻で笑って答えてくれた。
「5000万だ」
「5000万。フフフ、どうせまた博打にでも使うんだからウロボロスもバカね」
「だったら博打以外に何に使えばいいんだ?」
「そうね……夜学にでも入ったら?」
私はラッキーの意味深な問いかけに正直に答えながらも、ゆっくりとファイティングポーズをとった。
「いいえ。もっと下……ことわざも録に言えないあんたはもう一度、小学校からやり直しなさいっ!!」
そして私はラッキーに向かって突進した。
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