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3日前……
私達は理事長室で坂代元院長の護送について話し合った。
生田刑事によると移送先は網走か阿賀南かでまだ決めかねていたが、どうやら前者の方向に固まりつつあった。
問題は如何に護送するか。
首都高を使う線が濃厚視されたが、ここで兄が一計を案じた。
「ここは二手に分かれて、敵を分散させた方がいいかもな」
兄はそう発すると、ある策を提案した。
「敵はウロボロス。それと謎の集団。この集団が何者なのかは分からない。ウロボロスの配下なのか。新手の敵か。分かっていることは俺の元同僚が絡んでいるという事。俺のガジェットを真似して強化している事。そして、奴らもバタフライ・ドローンを作って監視してる事だ」
「つまり、今も監視されてると?」
生田刑事が不安気に聞いてきたが、兄は即答で答えた。
「この理事長室にいる限り大丈夫だ。この学校内に特殊な電波を発して、バタフライ・ドローンを寄せ付けない様にした」
「なるほど」
「しかし気休め程度にしか過ぎない。奴らのバタフライドローンが俺の作ったのよりも更にアップグレードされてたら、この会議も筒抜けかもな」
兄貴の言葉に私達は一層、緊張感が増した。
それでも今は兄の電波防御策を信じるしかない。
兄は場の張り巡らさた空気をすぐに感じ取ると、改めて自分の策を話し始めた。
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