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「網走が濃厚なら、羽田空港への道行きと、朱花湾への道行きの選択肢がある。そこで二手に分かれて敵の数を分散させる。勿論、その中の1つはフェイクだ」
「どこにフェイクを置く?」
「無論、警察側だ。警察にはウロボロスのスパイがいる。恐らくだが羽田路線もすぐにバレるだろう。そうなれば十中八九、ウロボロスは羽田方面で攻めてくる。謎の集団も出てくれば奴らはウロボロスの仲間という事になる」
「では本物の坂代は朱花湾の方へか?」
「ああ、一般人として北海道行きのフェリーに乗せる」
「エンジェルはどうする?囮の方に使うのか?」
生田刑事は当然の如く聞いてきた。
「いいや、エンジェルは朱花湾に使う」
兄はその理由を説明した。
「俺の予想だが、謎の集団はウロボロスとは関係のない新たな組織の可能性が極めて高い」
「その根拠は?」
「島林だ。アイツはパクリ魔の癖にプライドだけは人一倍強い人間だ。そんな奴がマダムの下に立つなんて考えられないからな」
「では朱花湾にエンジェルを置くとして、羽田方面のエンジェルはどうするつもりだ?まさかとは思うが、ロボットを作ったとか言うんじゃないだろうな?」
冗談交じりに反論する生田刑事に兄は鼻で笑った。
「まさか。だがエンジェルと同じキャットスーツとイカロスをもう1つ作った。これに変装マスクを被れば、偽物だって瞬時に気付かれやしないだろう」
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