第14話 悪徳医師を守れ!

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兄の作戦にはエンジェルがもう1人必要とされた。 その為に兄はエンジェルのスーツとイカロスを用意してくれた。 あとは変装マスクと強化グローブを装着すれば、素人でも容易く敵の兵隊を倒すことができるし、バレる事もない。 問題は誰がエンジェルに成りきるか。 兄は女性警官の1人を探してきて欲しいと頼んだ。 しかし、ここで1人の女性が前に立ち志願した。 春内理事長だ。 「その役目、私にやらせて」 突然の志願に全員、驚きを隠せなかった。 そして、すぐに兄が反対しだした。 「これは極めて危険な仕事だぞ」 「分かってる。でも私はもっとエンジェルの役に立ちたいのよ」 そう言うと理事長は私の方を向いた。 「私はいつも、あなたの戦う姿を見てきた。勝つ時もあれば、ボロボロになって帰ってくる時もあった。それなのに私はいつも無傷……裏方だから仕方ないにしろ、何もしてない感覚に襲われた」 「理事長……」 「だから私も背負いたい。あなたの苦しみを……バカな頼みとは重々承知している。だけどお願いします。その役目、私にやらせてください」 理事長は私達に向けて、頭を下げた。 しかし兄はそれでも不満を顕にしていた。 「襲撃には雑魚以上に強い刺客が必ず現れる。それをあなたは対処できるか?」 兄の問いかけに理事長は少し黙った。 そして力強く頷くと、燃えるような目で言った。 「覚悟の上よ」
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