第14話 悪徳医師を守れ!

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私達は車から降りた。 そして後ろへと回り、そいつの前に立つと、しばらくの間、動かずに奴を観察した。 改めて近くで見ると、本当に異様な風体のした人物だ。 背格好からして男性なのは間違いない。 スラリとした身体に背は私より少し高め。 タキシードが非常に良く似合う身体をしていた。 ただやはり、鹿のドクロが目に映ってしまう。 頭がすっぽりと入る大きさで、天高くそびえ立つ程の立派な角を生えていた。 その雄鹿の髑髏(スタッグスカル)に鳥肌が立ちっぱなしだった。 一体、奴は何者なのか…… 兄の言う通り、島林なのか……… 奴も私達を観察しているのか動く気配がなかった。 冷たい潮風だけが音を立てて吹き荒れた。 すると、先に動いたのはスタッグスカルの方だった。 奴はフワッと姿を消してしまった。 「来るぞ。気を引き締めてかかれ」 兄はそう言うと少し後退した。 私は身につけてたマスクを暗視ゴーグルに設定して奴の襲撃に備えた。
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