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翌日……
あれから私の身体は麻痺して動けず一度、病院で診てもらう事となった。
幸い、命に別状はなく、後遺症は残らないと言われた。
だが、防弾スーツを着ていなければ危ういところだったとも言われた。
坂代はあの後、無事にフェリーに乗せられ朱花市を出た。
これでウロボロスの魔の手から逃れられる事になるが、この先に待ってるのは極寒の地での精神医療……
あそこから這い上がるのは到底、無理だろう。
その後、私はすぐに退院できたが理事長は違った。
ラッキーが去った後、彼女はすぐに救急車によって病院に運ばれた。
こちらも命に別状はなかったがあばら骨が数本折れてて、2週間の入院を余儀なくされた。
「学校には集団リンチにあって、絶対絶命のところをエンジェルに助けられたとでも言っておくわ」
理事長は思いの外、至って元気だった。
私はホッと胸を撫で下ろしたが、これっきりにしてもらいたいと切に願った。
「私の苦しみを知りたいのはよく分かりました。だけど、私は理事長のサポートのお陰でエンジェルが成り立ってると思います。だからもう無茶な事はしないでください」
私は理事長の手をしっかりと握りしめた。
「ええ。本当にごめんなさい」
理事長は素直に謝ってくれた。
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