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その夜、理事長の病室で会議が行われた。
首都高での騒ぎはあったが坂代を無事に送り出した事で任務は完了。
何とかビューティーの一件を挽回できた。
それでもスタッグスカルの正体までは今だ掴めることができないでいた。
「ハッカーの件はどうなった」
生田刑事はハッカーの件を尋ねた。
1週間前の会議で兄が知り合いのハッカーと協力して正体を探ると提案した。
敵側もバタフライドローンを見つけて奴らを監視しようと考えたが結局、見つかる事ができず、作戦当日を迎えたのだ。
ところが兄は結果を出していた。
「エンジェルと鹿が戦ってる最中に鹿の後ろに発信器を取り付けておいた」
そう言いながら、兄はスマホ画面を私達に見せた。
スマホ画面は地図が映し出されており、赤い光が点滅していた。
しかしよく見たらそこはこの病室を示していた。
「今日、奴の足取りを追ってみた。具橋地区の路上に捨てられていたよ」
兄は苦笑いを浮かべながら発信器を見せた。
「だが具橋に通ったっていうのは事実だ。だからその近辺を散策したんだ。そしたら……」
そう言うと今度は、バックから1匹のトンボを取り出した。
トンボは全く動いていなかったが、こちらもよく見たらロボットだった。
「解剖して中身を見てみたら、バタフライ・ドローンと性能が丸パクリだった。俺はトンボなんか作った事は悪いがない。つまりこれは明らかに盗作であり、島林が作った可能性が高い」
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