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「いずれにしろ、これでマダムに再び殺人教唆の疑いがかけられることになるが……」
生田刑事は話の途中、口を閉じた。
「どうしたの？」
「これはマダムから見れば初歩的な罠だ。マダムだってそれに気付いているし、新見だって予想しい得た筈だ。それなのにこのような事態を招いた」
確かに言われてみればその通りだ。
こういう事態は予想された筈なのに、用心深いマダムにしてはまんまんと罠にハマるなんて……
「きっと、何か別の理由があるのだろう。俺達には分からない別の理由が……」
生田刑事はそう呟いたまま、会議は終了した。
そして、その５日後………
理事長のお見舞いに来ていた私は理事長と一緒にテレビを見ていた。
そこであるニュースに釘付けとなっていた。
「今日未明、横浜スターライトホテルの一室で男性の遺体が発見されました。男性は飲食店経営者の森原雅斗さん50歳で、警察は殺人事件の疑いがあるとみて捜査を進めていく方針です」
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