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翌日、生田刑事がやって来て、詳しい情報を話してくれた。
「神奈川県警によると、森原は浴槽で倒れているのを発見。浴槽は血の海だったそうだ」
「血の海……」
「両手首の頸動脈を切られてたんだ」
私達はゾクッと鳥肌がたったが、それに耐えて続きを聞いた。
「森原はその日、ホテルにデリヘル嬢を呼んでいたのが奴の携帯で判明し、ホテルに入るところも監視カメラで目撃されているが、数分後、そのデリヘル嬢がホテルから出て行く所も監視カメラでバッチリ捉えた」
「ではそのデリヘル嬢が最重要容疑者ってことになるわね」
「そうなるが実は厄介な事が……」
「何よ?」
「森原の着信履歴でお店を調べて聞き込みをしてみたらしいんだが、そんな子は雇ってないそうなんだ」
「なるほど。そいつは本当に厄介ね。因みにマダム・ドラゴンにはアリバイは聞いた?」
「勿論。事件当日、あの女は軽井沢にいた。坂代の護送する前からずっとな」
「当然、殺人教唆も」
「否定している。というかあのキツネ共、森原が死んだ途端に供述を覆しやがった」
「それはつまり……」
「森原の指示で動いたと吐いたんだ」
生田刑事の悔しい顔を滲ませながら言った。
その顔を見て、私も彼と同じ気持ちになった。
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