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その後、ウロボロスのいない横浜は不毛地帯になりかけた。
横浜にあったウロボロスのシマを狙う連中が続出した。
チャイニーズマフィアや横浜を拠点とするヤクザ組織等だ。
だが、それは直ぐに収束した。
森原の代わりに横浜のシマを取り纏めた人物がいたからだ。
マダム・ドラゴンだ。
彼女は軽井沢から帰った後、自分のシマを新見に任せて自ら兵を率いて、抗争になる前に収めた。
この功績を東京の内野も認めざるを得ず、結果、ドン底にいたマダムの地位は見事に返り咲いた。
いいや、それ以上のものとなった。
マダムの発言力は横浜まで糸を引くようになり、誰にも止められなくなってきた。
しかも彼女は横浜を内野に任せて早々に古巣へと帰っていき、再び朱花市を支配するようになった。
生田刑事は言った。
「最初からこういうのを予測して動いたに違いない」と……
森原を煽り、キツネの軍団を差し向けさせ私と戦わせる。
もしキツネが勝てば、邪魔なエンジェルが消えるだけでマダムは得をする。
キツネが負ければ、森原を陥れる良いきっかけができて、こちらも得をする。
無論、奴らは「マダムに言われた」と供述してくるが、森原が簡単に殺されたところを察するに、それらを覆す証拠を持っていたということになる。
つまり、最後に笑うのはマダム・ドラゴンであり、私はまんまと利用されたのだ。
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