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冒険者スタート
2050年、佐藤雫は、今日もダンジョン3層、オークと戦っていた。11年前、隕石の影響により、世界中のあらゆる地域で、ダンジョンと呼ばれる穴が発現した。
ダンジョンの中では、『ステータス』と呼ばれる半透明の板状のものが現れて自分の強さを知ることが出来た。
雫は、10年前の当時高校3年生でダンジョン一般公開に、夢と希望を胸に参加した。
ダンジョン内ではジョブと呼ばれるシステムがあり、自分では選べずに、ダンジョンが認定したものしか使えずに、雫は、冒険者ギルドで登録をし、初心者冒険者としてスタートを切った。
雫の担当は、小柄な女性で、髪の毛が短いボブ型の顔の小さく目が大きい、一般的に可愛いと言われる女性だった。雫と同じぐらいの彼女名札には伊藤と書かれている女性は
「あぁ佐藤様ぁ、ジョブ認定をしますねぇー。では、こちらに手をかざしてくださいぃー」
高めの舌足らずな可愛らしい声が聞こえてきた。
「これでいいですか?」
大掛かりな機械を前に少しビビりながら雫は、手をかざした。
(頼む、勇者とは、言わないが普通の戦士職であってくれ……)
雫の願いは、届かず、目の前には、サモナーと表示されていた。
希望していた職業では、なかった雫は、がっくりと音が出そうな程落胆した。
(ところで、サモナー?一体どんなジョブなんだ?)
「珍しい職業がでましたねぇ。サモナーは、ダンジョン内でモンスターを召喚契約をして、使役する職業ですぅ」
にっこり微笑みながら説明してくれた伊藤さん。
(よしっ、強いモンスターを使役しながらどんどん強くなるぞ)
しかし、このサモナーは、ダンジョン内における不遇職だと雫は、知らなかった。魔物は、1匹しか使役する事が出来ず、相棒が死ぬまで一緒に戦うしかなかった。
また強いモンスターを召喚できるようになる為には、下の階に行き直接契約を結ばないといけない、なんとも難しいジョブだった。
「ありがとう、伊藤さん、また買い取りの時に寄りますね」
「はいぃ、お待ちしていますねぇ」
雫は、意気揚々とダンジョンを後にするのだった。
武器防具屋がこの1年で出来ており、ドアを開けた。
「いらっしゃい」
無愛想な挨拶で、無愛想な顔のまま40代ぐらいの親父が出迎えてくれた。
「新しい装備一式欲しいんですけど……」
「ボウズ職業は、ないだい?」
「サモナーってジョブです」
「じゃあ皮のコートと皮の胸当てに、鉄の短剣が、いいかな?ボウズは、あんまり力が無さそうな感じがするからな、ハハハ」
豪快に笑いながら裏へと消えて、戻ってきた。
「じゃあ全部で3万だ」
アルバイトで貯めたお金を財布から雫は、出して。
「まいどありぃー」
威勢のいい声に見送られながら扉を開けて明日に備えて家へと帰るのであった。
――翌日、高校から帰ると慌てて家の近所に出来たダンジョンへと向かった。
ダンジョンの入り口には、各階層を一回でも到達すると自動で送ってくれるアクティベートゲートがあったが、まだどこにも行っていない雫は、そのまま右手に短剣にしっかりと握り、一階層へと進んで行った。
一階層は、草むらが広がっており草の間から普通ぐらいの大きさの白ウサギに15㎝ツノが生えたニードルウサギが顔を出してこちらを伺っていた。
「ハッ」
飛び掛かってきたニードルウサギに少しビビりながら腰が退けたままでは、あったが、なんとか体当たりを胸当てに当たったが堪えて短剣をニードルウサギに差し込む事に成功し、光の粒子に変えていた。
「ステータス」
この掛け声で目の前には、半透明の板が現れて自分の状態が確認出来るのが分かり嬉しさのあまり、雫は、一人でニヤリと笑ってしまった。
名前 佐藤雫
LV 1
ジョブ サモナー
筋力 10
魔力 20
耐久 10
スキル なし
装備 鉄の短剣 皮の胸当て 皮のコート
契約者 なし
(さすがに、ニードルウサギ1匹では、レベル上がらないか そうえば伊藤さんがドロップ買い取ってくれるって言ってたな)
光の粒子が消えていたが、ニードルウサギがいた場所には小さなツノが落ちていた。雫は、それを拾い上げて腰に下げていたウエストポーチに入れた。
――数日後 毎日放課後には、ニードルウサギ狩りを順調にこなしていた。
身体を光が包み込みレベルアップを知らせる。
「レベルアップってこんな感じなのか、ステータスの確認をして2階層へと行ってみるか」
「ステータス」
名前 佐藤雫
LV 2
ジョブ サモナー
筋力 12
魔力 23
耐久 11
スキル なし
装備 鉄の短剣 皮の胸当て 皮のコート
契約者 なし
対してレベルが上がっていないが、2日前探索して
2階層へと続く階段を見つけていたので、階段へと向かって行った。
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