6人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
2階層
壁に小さな光る石が埋め込まれていて少し薄暗い階段を降って2階層にやってきた。
(初めての階層だから気を引き締めていかないと危ないな、しっかりやってこう)
事前にギルドに寄ってきて伊藤さんにアドバイスを貰ってきていた。
「2階層はゴブリン天国ですぅ。所持している武器は、色々あるですぅ。」
(今思い出しても伊藤さんのしゃべり方は可愛いよな)
雫は、ソロ探索なのに、思い出し笑いで、フフっと笑ってしまった。
このダンジョンは隕石が落ちたクレーターだと言うのに、宇宙の神秘なのか、各階層で太陽のような物があり、光がサンサンと降り注いでいるので、松明などを所持する必要はない。
伊藤さんの話によると例外で深い階層には暗闇の階層もあるらしい……。
まずは、初めてのアクティベートゲートの解放を行わなければいけない。
丸型の6人位乗れる台がありその隣には、小さな四角い人位の高さぐらいのサイズがあるコンソールに右手で、触れる。するとコンソールが淡く青色に輝いた。これで、アクティベートが完了した。
次は、1階層とあまり変わらない景色が広がる2階層の探索エリアへと向かった。
周りには、他の冒険者パーティーやコンビがいた。
邪魔にならないように、雫は、移動をしてここらで、ゴブリン狩りをする。
【ゴフゥ】
腰ぐらいの高さの草むらの奥の方から木で出来ているこん棒を持ったゴブリンが現れる。
ゴブリンは、いきなり走りだしこん棒を振りかぶる。短剣しか持っていない雫は、受けるには、リーチが短い為、ステップで交わすが、ゴブリンは降り下ろすとすぐに横降りに変えて、雫のお腹に当たってしまう。
「ガハッ」
(やばい、打撲したかも、多分折れてはいないと思うけど)
その後も距離を気にしながら少し動き辛い身体を無理に動かしながら、ギリギリでこん棒を交わす。
1時間位たっただろうか、雫もゴブリンも決定打が出ないまま時間が過ぎたが、コブリンの体力が無くなって動きが鈍くなったとこに、足に地面を蹴り出し、ゴブリンの左胸に短剣を突き立てて、光へと変換されて初めてのゴブリンとの、戦闘が終わった。
ドロップ品をウェストバックに入れて、打撲痕を確認する。
(あぁ紫色になってるよ)
落胆していると、再びゴソッと草むらが揺れる。
慌てて短剣を握ると、そこには斧を持った腰ミノ1枚の茶みどり色のゴブリンが立っていた。
数十秒睨み合っていたが、ゴブリンは襲って来ない。それどころか【ゴフゴフ】言いながら何か身振り手振りしている。
「なんだ?もしかして仲間になってくれるのか?」
首を縦に振るこのゴブリンには、雫の言葉が理解出来ているようだった。
「じゃあ味方もいないし、仲間になってくれるか?」
そう言うと草むらのゴブリンの下の地面に赤い魔方陣が現れて、ゴブリンが沈んで行った。
「どうやって出すんだろ?」
「まあ、オーソドックスにやってみるか」
『召喚、ゴブリン』
地面には再び魔方陣が現れて、ゴブリンが地面から現れた。
「名前がいるよなあー。コブリンだからゴブ造でいいか?」
【ゴフ】
縦に嬉しそうに首を降りながら小躍りするゴブリン。
「じゃあよろしくな。ゴブ造」
「戻す時は、どーするんだろ」
『帰還、ゴブ造』
試しに叫ぶと再びゴブ造は、地面の魔方陣に消えて行くのであった。
(打撲も痛むし、今日は引き上げるか)
雫は、ギルドに向かう為にアクティベートゲートに向かうのであった。
最初のコメントを投稿しよう!