リベンジマッチ

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リベンジマッチ

すでにここしかない出入口の少し奥で丁寧にも突然変異のオークが待っていた。 (さっそく試してみるか……本当に大丈夫だよな?) 雫は、かなり不安になりながらも召喚する。 『召喚べリアル』 戻ってきたべリアルは、封印されてた時は、血色なく真っ白だったが、今は健康だが色白位になっていた。 「さっそく出番かえ?ご主人よ、あの豚頭をぶっ飛ばせば良いのかえ?」 「あぁそうなんだが、べリアル代償とか呪いとかないよな?」 「言ったであろう?お主をわらわは主人と認めておる。いくら破壊の堕天使でもそんな事はしないゆえ安心してくれ」 べリアルは、 破壊の堕天使と言う大層な名前の割にあどけない笑顔を浮かべながら答えてくれた。 「何が出来るんだ?」 「レベルが初期化されてるゆえ、ヘルファイア位しか使えぬ」 「大丈夫なのか?あのオークはかなり強いぞ」 「心配いらぬ。簡単に消滅させようぞ、やはり主は心配性の小心者よの。大船に乗ったつもりでおれい」 「放っておいてくれ、昔から慎重派なんだよ」 ついついべリアルに突っ込んでしまう雫だったが、沸き上がるべリアルの力の雰囲気で安心する事が出来た。 「それよりも、主よ。このダンジョン内だけで良いから一緒に冒険者させてくれぬかえ?もうどの位経ったか分からぬ位封印されておったゆえ」 「初めからそのつもりだったぞ、分からぬ位封印って10年じゃないのか?」 「主それは違うぞ、星降りによりこの世界にやって来たが、元は違う世界に居たが力が大き過ぎて元の世界でも封印されておったんだぞ」 何故か胸を張るべリアルに 「おぉ……べリアルも色々大変だったんだな」 何だかタシタジな雫なのであった。 「じゃあそろそろ行こうか」 「良いぞ」 出入口に近付くと共に 『ヘルファイア』 いきなり、べリアルはヘルファイアを突然変異のオークに叩き込む。 小さい火が飛んで行くのかと思っていたのだが、なんとオークサイズの真っ黒な火が飛んでいき、元々火に弱いモンスターではあったが、あっという間に火だるまになり光の粒子となり消滅した。 「おいおい初期レベルでこれかよ……」 「だから言ったぞえ?心配はいらぬ。消滅させると」 首を右横に傾けながら何を言ってるんだと言うような表情で言ってくるべリアル 「こんな凄いと思わないだろ」 「そーかえ?」 こんな会話と共に淡い光が包み込みレベルアップを知らせたのであった。 「ステータス」 名前 佐藤雫 LV 6 ジョブ サモナー 筋力 22 魔力 32 耐久 21 スキル 従者武装 装備 鉄の短剣 皮の胸当て 皮のコート 契約者 堕天使悪魔 べリアル 「相変わらず、ステータスは上がらないなあ」 そうこのステータスが上がらないのがサモナーが不遇と呼ばれる由縁、魔法使い並みに筋力と耐久値が低いのに魔力も戦士並み、すべて悪い所だけしか引き継いでいない。しかもゲームとかなら何体でも従者がいるものなのに、現実世界のここでは、一体だけお陰で不遇職まっしぐらだ。 「あっスキルがやっと手に入ったぞ!従者武装かなんかそのままっぽいな」 「主よ、わらわもレベルが上がったぞ」 「ステータス」 名前 べリアル LV 2 ジョブ 堕天使悪魔 筋力 40 魔力 65 耐久 60 スキル ヘルフレア 装備 堕天の衣 地獄パンプス (すでに全部抜かれている……しかも何だよ地獄パンプスとか堕天の衣とかかなり物騒だな) 「お主が考えてること分かるんだからな。可愛いじゃろ?」 くるりと一回転して見せるべリアル 「やめろ、パンツが見えそうだ」 「そーかえ?」 そう言いながら妖艶で可愛い笑みを浮かべながらさらに一周その場で回転するべリアルなのであった。
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