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それでも、地面に私達が叩きつけられるのはあっという間だった。
全身に走る鋭い痛みと私の身体に覆い被さるぐったりとした奏の重さ。
「かなで…、だいじょうぶ…?」
「だい、じょうぶ…。あかりは…?」
「うん…、だいじょうぶ」
「よかった…」
言葉を交わした私達は、そこで力尽き、意識を手放した。
気がついたのは午前0時。
身体の痛みと共に目を覚ますと、青白く光る月に照らされた天井が見えた。
「燈っ!目を覚ましたか!?」
「お、父さ、ん…?」
「燈っ、あかり…!良かった…!」
「ここは…?」
「病院よ。あなた達、下校途中に交通事故に遭ったの」
「…ハッ、奏はっ!?」
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