逢魔ヶ時に逢いましょう 第一章

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そう言って奏の手を取ると、私は奏に引き寄せられ立ち上がった。 そして、そのまま手を繋ぎながら私達は歩き出した。 だけど、歩けど歩けど続く草原。 建物らしきものはなにもなく、草花が風に揺られているだけだった。 すると、その時。 「燈様と奏様ですね?」 「「わっ!?」」 いきなり背後から聞き覚えのない声が聞こえた。 「だっ、誰だ?!」 「びっくりした…。さっきまで私達以外誰もいなかったのに…!」 そう。 ここには私達以外誰もいなかった。 そして、声をかけられるまで私達以外の気配も足音もなにもなかったはず。 それなのにこの人は私達の後ろに立っていた。
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