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「はい、なんでしょうか?」
「その黄泉の国に行くのは、あんたの案内が無ければ行けないんだろ?」
「さすが奏様、その通りでございます」
「じゃあ、あんたが案内しなければ、その人はどうなるんだ?」
「こちらの世界をさまよい続けることになります」
「そうか…」
「奏、いったい何を話しているの?わかるように説明してよ!」
「燈様、もしよろしければ私がご説明いたしましょうか?それも私の仕事ですので」
「えっ、でも…」
そう言って奏を恐る恐る見上げると、視線に気づいた奏がまたぎゅっと手を握り締めた。
そして、優しく微笑むと、ゆっくりと頷いた。
「…はい。それでは、お願いします」
そう言うと、縣さんはにっこり笑って「かしこまりました」と言い、深々とお辞儀した。
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