逢魔ヶ時に逢いましょう 第一章

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「黄泉の国(よみのくに)とは、人の死後にその人の魂が行き、死者が生活するとされる場所でございます。そして、今おふたりがいらっしゃるこちらの世界は、黄泉比良坂(よもつひらさか)と呼ばれる生と死の境となる場所でございます」 「生と死の境…」 「奏様はもうすべてお分かりのようなので、燈様にご説明いたしますね?」 「はっ、はい…」 「この黄泉比良坂は見ての通り行けども行けども草原が広がっております。ここにたどり着いた方々は、私のような案内人がご案内しない限り、黄泉の国へはたどり着けないのです」 「どうして…?」 「人間に寿命があるのはご存知ですね?」 縣の問いかけに私は頷いた。
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