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「ごく稀に人々が与えられた寿命よりも早くこちらに来てしまう方々がいらっしゃいます。その方を黄泉の国へと本当にご案内していいのか、またはそれを本当に望んでいるのかを相互に確認する必要があります。そうした後、黄泉の国へとご案内するか現世にお戻りいただくかを決めていただくのでございます」
「…ってことは、私達はどっちなの?」
そう私が聞くと、縣は奏の顔をチラッと見た。
「…わかってるから」
奏がそう言うと、縣は一瞬視線を揺るがせ、また私の方へと向き直った。
「…恐れながら、奏様は寿命でこちらへ。燈様は寿命をまだたくさん残してこちらへいらっしゃいました」
「そんな…っ!」
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