逢魔ヶ時に逢いましょう 第一章

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「燈、危ないっ!」 そう言われて後ろから抱き締められた私は、その直後に感じた強い衝撃とともに突き飛ばされた。 その瞬間はまるでスローモーションのように感じた。 宙に浮いた身体。 強く抱き締められた感触。 ブレーキの音を響かせたまま突っ込んできた乗用車。 驚き、怯えた顔をした通行人。 そのすべてがゆっくりゆっくりと時を進めていく。 それでも、地面に私達が叩きつけられるのはあっという間だった。 全身に走る鋭い痛みと私の身体に覆い被さるぐったりとした奏の重さ。 「かなで…、だいじょうぶ…?」 「だい、じょうぶ…。あかりは…?」 「うん…、だいじょうぶ」 「よかった…」
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