逢魔ヶ時に逢いましょう 第一章

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それでも自分の気持ちに気づいてからは、いつの日かこの気持ちが伝わって、両想いになってほしいと思っていた。 でも、私は自分の気持ちを奏に伝えることはなかった。 どんなに仲の良い幼馴染みだろうと、この気持ちを打ち明けてしまったら、きっとお互いにそれを意識して今までの関係が壊れてしまう。 もう、一緒にいることができなくなってしまう。 私の名前を呼ぶ優しい声。 まるで太陽のような温かい笑顔。 拗ねた時の尖った唇と赤く染まった頬。 何事も見据えたかのような綺麗な瞳。 悪巧みをするときのにかっと笑った表情も、怒ったときのむくれた顔も、悲しいときの影を落とした表情も、全部見れなくなってしまう。 そんなこと、絶対に嫌だった。
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