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部屋に戻った後はじっとドアを見ていた。
アイツの狂気じみた顔は普通じゃない。いつこの部屋にも入って来るかわからない。部屋にあったドライバーを握りしめて布団に入ったが横になった瞬間疲れが押し寄せ、直ぐ眠りに落ちてしまった。
スッと瞼が開いた。視線の先にある窓からは燃えたようなオレンジ色の雲が見える。
生きてる……そう思ってホッとした分、握っていたドライバ―を見て現実かと少し気が沈んだ。
ドア開け階段から下を覗いたが家の中は静まり返っている。
外に出ているのか?寝ているか……?
今しかない。
リュックを持ち足音を立てずに下へ降りる。
玄関にはまだアイツの靴があった。急いで靴を履き、ドアノブに触れた時だった。
「どこへ行くんだ?」
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