『 三橋 成真 』

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「く、苦しいって…」 「何考えてるんだ?」  腕が首に入り、絞まっていく。 「うっ…」  コイツは本当に俺を殺す気なのだろうか。じゃなくても情緒がおかしくなっていて危険なのは確かだ。 「ぐ、…で、出ていく」 「なんでだ?」 「お母さん居ないなら、…もう関係ないだろう」 「……お前、そんな勝手な行動許さんぞ」 「うぅ……」  本当に死を感じた俺は思わずポケットに届いた手で鍵を握り、そのまま奴の額を殴りつけた。 「ああああっ!!」  指からはみ出た鍵が当たったのか、顔を覆っている手の間から血が出て来ている。人を殴った事がない上に血も見慣れてない俺は動揺してしまった。 「はぁはぁ、ご、ごめんさい」  そう言って震えた手でドアの鍵を開けた。
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