『 大倉 亘 』

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「……」 「……」  こいつは冗談を言うような人間じゃない。 「……あの、病気だったお母さんか?」  〝ズズズッ〟 「うん」 「……そうか。でー、なんで?」 「……」  成真はカップラーメンの麺を口に挟んだまま止まった。その瞬間、目からお粒の涙がこぼれ始めた。 「ま、今日はゆっくり休むか」 「うん、ごめん」と、咥えていた残りの麺を啜り、袖で顔を拭く。  よく見たら服や腕、額にも土がついた跡がある。 「お母さん埋めたってのは、いつの話?」 「今朝」 「……お前逃げ出してきたんだろ?親父さん大丈夫かよ」 「大丈夫って?」 「きっと親父さんが考えた事なんだろ?そんな事してその後喧嘩もして、絶対に情緒不安定になってるだろ。気がさらに狂ってお前を殺しに来たりしないよな?」 「殺されかけたよ」 「は!?」 「それを振り切ってここへ来たんだよ」 「おいやめろよ~!どーすんだよここに来たら~!俺まで危ないだろ!」 「多分だいじょう…」  ドンドンドンッ! 突然玄関のドアを叩く音がした。
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