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エルフの森
おかしいなぁ・・・確かここら辺に置いた筈なんだ・・・無い。
これも、これも違う!!
あーもうッ!!こんな事なら本棚なんかに隠すんじゃ無かった!
「クッソこれもチゲェじゃんよ!!」
あぁ・・・あん時の俺チャン、マジイッちゃってたわ。
何で木を隠すなら森の中、
花を隠すなら花畑の中みたいな?どっかの知らんオンジのパワーワードに影響を受けるとかマジで草だね!
「チッ、これもチゲェー!!ユニバーーーーーーース激激!!!」
『ベッシーーーン!!!!ドゴッ!!』
「うっさぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」
俺チャンが振りかぶって投げたぁぁ!分厚い本が部屋のドアに命中し、物凄い音をたてたその瞬間、俺チャンのパーフェクト脳には2つの事が過ぎっていた。
このピッチングは間違いなく今世紀最高だった。そして・・・俺チャンお終いのお知らせ。
「エルてめクソボケぇ!!何ドカバタ鳴らしとんねんここは工事現場かあぁ!?あぁ!?なんも笑えへんわ死にたいんか殺す!!!」
ジュラシックTレックス夜露死苦な足音と共に、恐怖の大魔王が空じゃなくドアから、俺チャンのマイフェイバリットルームにドォーーーーン降臨!!
「ちょ!!姉ぇーちゃん待て待てストーップ!!この度は本当に申し訳ございませんでした!俺チャンは馬鹿でキモイニートの糞です!生まれてきてすみませんでしたぁぁぁ!!!」
これぞ俺チャン最終奥義、ゼロ抵抗土下座ヨイショ!!!
よし!決まったぁぁぁ!!
ドア開放0コンマクリンヒット!
さっすがの恐怖の大魔王もこれには抗えまい!
ウッハハハ!
土下座の下で笑いが止まらないぜ!
さぁ、このとーってもぷりちぃーな弟を許すが良い!
「うわ、くっそきめー。怒りも冷めるわ。
ん?これ、貴重な薬草学の書やんか。フフフッ、お母にエルが投げてたって言ったろー」
な・・・なんですとぉぉぉぉぉ!!!!!
「あ、ぁ〜姉上?そこは何とか・・・何でもしますぜ?勉学中にスイーツの差し入れなんてどうです?ハーブティーとマッサージもお付けしますよ?」
「ふぅ〜ん、で?」
なッ!?何と恐ろしい女だ・・・ここぞとばかりに踏んだくろうってのか!?この、か弱くひもじい俺チャンから!?
くっそぉ・・・これも姉のいる家に生まれてしまった性なのか・・・
そうだ!全部そのせいだ!
何が『美人の姉達に囲まれて羨ましいぃ〜!』だ!!
『俺も美人の姉さん達にチヤホヤされてぇなぁ・・・』
そーかそーか。
1人ずつ綺麗にプチプチで梱包して、のしつけて送ったるわぁぁぁ!!!
俺チャンと同じ末っ子の者達ならわかる筈だ・・・この奴隷の如く地獄の日々をなぁぁ!!
よし決めた!今決めた!
今日という今日は目に物見せてやる・・・
俺チャンはもう立派なメンズ、ボーイじゃない!!!
忌々しい女共め・・・男の底力を見るがいい!!
「・・・また、いつメン家に呼ぶよ」
うわぁぁぁぁやっちまったぁぁぁぁ!!!!
何で如何して何故故に!?
俺チャン一体どうしたっていうんだ!?
さっきの決意したばかりだろう!
大丈夫、大丈夫。俺チャンはYDK、俺チャンはYDK、YDKYDKYDK――
・・・ダメだ。
俺チャンの手、めちゃプルってんじゃん!!
誰かー!俺チャンのやる気スイッチ押してくれーーー!!!
「マジか!?おkおk!新しい子も用意したって、ジルが喜ぶから。さて、こんなん構っとらんで勉強しやんと」
急にキラキラした目で髪型整え出すとかマジ勘弁・・・姉の女感とか1番精神くるやつっしょ!
けど、これで行ってくれるなら本当ありがたみの極み!!
「・・・あ、そうそう言い忘れてたわ。
エロ本ならベッドの下。
せやから分かっとるよな?
・・・今度物音立てたらぶち殺して窓から捨てて虫の餌にしてやるからな、覚えとけ!!!ペッ!!」
(うぅ嘘だろぉ?ペッて唾吐き捨ててったよあの姉・・・この世の全てに今の姿を見せてやりたい!!)
あぁ、俺チャンも同意見だぜ黒俺チャン。
(やめたほうがいいって、いつものように誰も俺チャンの言う事なんて、信じてなどくれないさ。それどころか馬鹿にされんのがオチだって)
うんうん。いっつも痛いとこつくマンよね、白俺チャンは・・・
(俺チャン!流されちゃNONO!波は流されるもんじゃない、乗るものっしょ!!今回は酷レベ上級、これはワンチャンあるっしょ!)
た、確かにそれは一理あ・・・・・・本当にベッドの下にあったし。
そういえば、姉達が無断で本棚漁るから結局ベッドの下にチェーンジッしたんだっけな。
うんうん、おー攻めるねー!やっぱしこれは当たりっすな――
って・・・
何で姉ちゃん知ってんだよッ!!!!!!!!
『ドォッゴォォォォォォーーーーーーーーーーーン!!!』
「ひぇっ!?ななな何事ぉぉ!?!?!?」
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