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HRが、始まるとすぐに雫の好きな時間は破壊されて空虚で退屈なお時間の始まり。雫はイヤホンを耳の中に押し込んでラジオを出して机の上に頬を乗せた。 ラジオは、いつだって一番早く新しい情報を提供してくれる。新曲が雫の鼓膜から脳細胞の隅々まで刺激してくれる。 担任の森脇和恵の話しは一時限目の授業が始まるまで続く。たぶん、和恵は生理中だと雫は予想した。それが的中するように和恵は雫からラジオを没収した。耳からイヤホンが外れた瞬間に砂漠化した時間が永遠と始まる。ウンザリだ。 ダメだ!狂!今は出てくるな!雫は狂を止められなかった。狂という名前の僕のもう一つの人格が席を立って和恵からラジオを取り返して 「先生、先生の下半身から生命の営みが聞こえてきますよ。いや、それとも亡霊の泣き声かな。」と狂は言って唾を床に吐いて席に座った。 そして狂は、雫に亡霊の泣き声とは○○と親切に教えてくれた。狂の突然で大胆な行動は周りの生徒から気味悪がられている。だから、雫と狂は学校で孤立している。
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