寛解

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「行ってきます」 急いでローファーを履く娘の背中を見て私ははっとした。今日の不吉な夢のことがなんだか気がかりだった。 「千枝ちゃん、気をつけて行ってきて。」 「はーい。」 「本当に気をつけて行ってきて。特に駅前のスクランブル交差点は気をつけて。」 「わかったよ、もう。スクランブル交差点ね、気をつける。」 千枝ちゃんはいつも通り、少し駆け足で出ていった。
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