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ウサギの賢者と新人兵士のアルスくん 特典sample5 予告
通信機から聞こえてくる上機嫌な"ビナー兄ぃ"の声に、俺はエスプレッソを口に含みながらヒヒッと笑い声を洩らしつつ、そんな反応を返していた。
俺の正面で、多分今はビナーの傍らで通信機の扱いを教えただろう、若草色の髪を頭に纏めたママっ子が、リーダーのバイルと早起きして作ってくれたパニーニを頬張っているシュピィギーが、露骨に不機嫌そうな顔をしたのには、ヘラりとした表情で応える。
『しょうがねぇなぁ、取りあえず話てみてくれよ、ビナー兄貴―――』
久しぶりに、面白いかどうかはしんねえが、平穏な国で何かしら起きそうな予感に俺はやっぱり、ヒヒッと笑いを洩らして、話の先を促していた。
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