さよならとはじめまして

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「とっ、とてもよかったよ!勉強になったし、りっちゃんすごいね」 二人きりじゃないからいつも以上に緊張して、詳しい感想が言えない。 「いっぱい練習した甲斐があったよ。すごく緊張した~……」 「えっ!?りっちゃん、緊張してたの!?そう見えなった」 「ホント!?めっちゃ緊張してたよー。 噛んじゃったし、自分で何を言ってるのか分からなくなる時があったもん。大丈夫だったかな?」 「うん。聞き取りやすかったし、ちゃんと話せていたよ。素敵なセミナーだった」 「よかったー!嬉しい!」 普段だとここから話を掘り下げていくところだけど、初対面の人がいるから 緊張してこれ以上話せない。 ほんの少しだけ沈黙の間ができた後、りっちゃんが年上の女性の方に手を向ける。 「そういえばね、こちらのお姉さん。あっちゃん同じ苗字なんだよ」
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