さよならとはじめまして

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この人のここがすごい!憧れる!っというところを見ると、胸が熱くなるようにワクワクする。 誰かが持ついいところは、一人でいては見ることのできない世界。 知らない誰かがいて怖いことよりも、りっちゃんのすごいところを見ることにいつの間にかシフトしていた。 「……っというわけで、本日のセミナーは終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました」 大きな拍手が送られてセミナーが終わり、りっちゃんが椅子へと腰を下ろして、やっと終わった~っと額の汗を拭う。 大仕事から解放されても笑顔が途切れないりっちゃんを見て私は微笑んだ。 初めてのセミナーは大成功だね、りっちゃん、っと思いながら――――。 「さて、終わったから帰るか」という薄情な真似はできないので、会場が落ち着いてから話せる機会を待つ。 「あっちゃん、今日はありがとう。セミナー聞いてみてどうだった?」 「…………」 その時間がやって来た時、私の次に会場に来た年上の女性が隣にいた。
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