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1.俺のしたいこと [1]
夢見ずにはいられない。
いつか誰かにーー。
そのとき、久しく観ていなかったテレビの映像が頭の中ではじけとんだ。
腕の中には温かくてかたいもの。
テレビよりリアルで、興奮か恐怖か、あるいはそのどちらもがないまぜになった気分。手足が震えだして、遅れて身体中をなにか、熱いものが駆け巡る。
ぼくは今、なにをしている?
震える手に力を込めて、ぎゅっと瞼を閉じた。
ああ、どうか神様。一度でいいから。
たったひとりのぼくの願いくらい、聞いてくれたっていいじゃないか。
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