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「聞いて聞いて!」
三月も終わりに近い温かな日、撮影に臨んだ俺らにょたチョコ男子を前に伊織先生がはしゃいで、そんな風に口火を切った。確実に悪い予感しかしない。
「なんと!私のスタジオのにょたチョコ男子たちが卒業式に招待されましたーー!!」
「え?俺らPTAを敵に回してるのに?」
俺の素直な反応にその場にいた全員が首を縦に振った。ちょっと危ういサービスで稼ぐ俺らにょたチョコ男子を全国のお父さんお母さんは敵視している。とくに年頃の男子の親御さんは。
「ふっふーー!親御さんを敵に回しても、健全な男子諸君はにょたチョコ男子の味方なのさ!!」
伊織先生がウキウキだ。悪い予感がする。
「実はさ、お手紙もらったんだよねー!女子高生から!学校の男子ににょたチョコ男子ファンが多いから、にょたチョコ男子が卒業お祝いしてくれると思い出になりますって!それににょたチョコ男子をセクシーに写真に収める伊織先生に会ってみたいですって!」
あ、女子高生が会いたいって言ったから浮かれてるのか……。
「ですが学生からお手紙もらっただけでは、卒業式に出席できないのでは?」
タッくんの至極真っ当な意見。だが、伊織先生はぐふふふと笑う。
「教師は既に買収済みだ!女子高生に会えるならば、みんなの隠し撮りをばらまく!」
サクッと問題発言したが、いつものことだとみんな納得する。てか、俺らが卒業式に出席して、何やんの?
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