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ざらめもまた、休まずに働いていた。今夜はすでに三人ほどに体を開き、そろそろ疲労もでている。もう少し明るくなったら今日のところは帰ろう――そう思っているときに限って、客というものは訪れるのだ。
「二人だが、いいよな?」
人目につきにくい塀の陰を選び、ざらめはむしろを敷いた。敷いたむしろに膝立ちになると、二人の客たちと対峙する。
「はじめてくれ」
「はい。……では、失礼します」
両の手を伸ばして、男たちの股ぐらを探る。男らもそれを手伝うように、けれど愉しむように下帯を緩めた。
視線の先に熱り立つものが現れ、ざらめはそれを躊躇せず咥える。先程まで働いていたのであろう男のそれは汗くさく、つんと鼻をついた。そうしてもう一人の陽根には指を這わせ、やがて柔らかく握り込む。
「あぁ……すげ、うめぇじゃねえか」
「はあ、手も意外といいな」
陰間茶屋にいた頃よりも、どうもこちらはうまくなってしまったようだ。
ざらめもわざわざ男だと明かして声はかけない。そのため、直前に気付いて挿入をやめる客もいた。そういった客を悦ばせるために、手淫と口淫もずいぶんとしてきたものだ。
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