温もり -完結-

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  『みゃあ』は、いた。それがどんな世界なのか知らない。けれど『みゃあ』には自分が暁生に拾われた存在であることが分かっていた。  時々暁生の言葉が聞こえる。 ――『みゃあ』、どうしてる?  それが聞こえると幸せな気持ちになる。温かい気持ちになる。  ある日、『みゃあ』に問いかける声が聞こえた。 ――お前には行きたいところがあるか? 『みゃあ』 と答える。 「暁生のところ」 ――行かせてもいい 『みゃあ』  「なら行きたい」 ――その姿では行かれない   お前が男になれば暁生がお前の名前を口にした時に終わりだ   お前が女になれば暁生のそばにずっといられる 『みゃあ』  「女になりたい」 ――それは分からない   目が覚めてから知るしかない  そして知らない場所で『みゃあ』は目が覚めた。  
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