26人が本棚に入れています
本棚に追加
『みゃあ』は、いた。それがどんな世界なのか知らない。けれど『みゃあ』には自分が暁生に拾われた存在であることが分かっていた。
時々暁生の言葉が聞こえる。
――『みゃあ』、どうしてる?
それが聞こえると幸せな気持ちになる。温かい気持ちになる。
ある日、『みゃあ』に問いかける声が聞こえた。
――お前には行きたいところがあるか?
『みゃあ』 と答える。 「暁生のところ」
――行かせてもいい
『みゃあ』 「なら行きたい」
――その姿では行かれない
お前が男になれば暁生がお前の名前を口にした時に終わりだ
お前が女になれば暁生のそばにずっといられる
『みゃあ』 「女になりたい」
――それは分からない
目が覚めてから知るしかない
そして知らない場所で『みゃあ』は目が覚めた。
最初のコメントを投稿しよう!