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6年ぶりに『空蝉の宿』に明かりが灯る。
最後の仕上げは、清香の持つ暖簾をかけるだけ。
「ずいぶんと長く休みましたね女将さん」
清香の嫌味を完全無視し、暖簾をひったくると
カロン
乾いた音を響かせて、藍染め暖簾が夜風に揺れた。
女将さんの読書は俺様で変態極まりないが、素敵な小説を見付けるのは、息をするのと一緒。
エブリスタ内を徘徊し、お気に入りを喰らい尽くす様を、笑いながら覗いていって下さい。
平成『空蝉の宿』から令和『空蝉の宿』へ。
何気ない日常と一緒に、お話できたら幸いです。
過去にお宿を訪れた方も、初めてお宿を見つけた方も、楽しんでいただけたら嬉しいです。
『空蝉の宿』
末永くご贔屓のほど、よろしくお願いいたします。
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