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「コンパクト化しすぎて、おひとり様になったのかよ?」
何か偉そうにしてるけど、未来人類はこいつだけだ。
僕は、少し、意地悪く言ってやった。
「分かってないなぁ」
未来人先生の講義が再開された。
技術の進歩で、生殖活動なしで子孫の繁栄が可能になり、性別は意味がなくなった。
人口の調整も簡単に管理されている。
外見的には、男でも女でも好きな方に寄せられる。
中には、両性具有として、TPOに合わせた快楽を追求する者も出てきた。
「そうすると、そこのAIみたいにブレインデータをアップロードするようになるっしょ」
クラウドに預けられたブレインデータは、やがて繋げられる様になり、
集合精神として、一握りの人間が管理する様になる。
「つまり、貴方は私達の未来の姿であり、未来人類の代表だというのですか?」
「正解! よく演算できましたっ」
人類代表ってよりは、あれだな。女王蟻とか女王蜂っぽいな。
ヒトじゃなくて、ムシから進化したのかも知れない。
「で? 何で未来人代表がここにいるんだよ?」
「それはあいつ等のせいっしょ?」
僕達は、未来人が指差す方を見た。
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