06.裸のレムリア人

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「だったら、海底人じゃないのか? なぜ地底人に?」 「魚竜タイプは海に適応したが、オレ達や地上の恐竜人類は適応できなかった」 ヒヒイロカネやオリハルコンの採掘場所から、地下へ逃れることに成功したらしい。 「百万年も待ったぞ。今こそ祖先の怨みを!」 「待テ! 我々に感謝すべきじゃないのカ?」 「何だと?」 「採掘のお陰デ、生き残ることが出来たわけダ」 「……そうか」 おい、百万年も積もった怨みだろ? 良いのかそれで。もしかして、莫迦なの? 「服モ着テナイダケハアルナ。低イ知能ノ種族メガ!」 「愚か者が! オレ達の服は、バカには見えぬ装束よ」 「ミ、見エテタモンネ! チャント見エテタケド、突然変異(ミュータント)冗談(ジョーク)ダモンネ!」 いや、それ嘘だから。 ()()()だから、あの恐竜人類。 未来人も新人類も、笑いをこらえている。 しかし待てよ。 ヒトは猿からだけ進化するとは限らない。 地上からだけとも限らない。 イカだって、イルカだって、アシカだって、ヒトへの進化チャンスはある。 いや、その場合人類のピンチか。 ……もしかすると? 僕は、母なる海を眺めた。
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