10.復活の南極原人

2/3
前へ
/32ページ
次へ
それはまさにヒトとネアンデルタール人が再会を果たした日。 4万7000年前のあの日――。 宇宙人の度を超えた地球規模の実験により、極移動(ポールシフト)が起こった。 当時緑豊かだった大陸は、地軸回転で一気に南の極地に移動した。 突然の気候変動は、大地に4500メートルを超える厚い氷の層を作った。 温帯気候に棲息していたマンモスも、ポールシフトで寒冷化し絶滅した。 シベリアの永久凍土から発掘されるマンモスの胃に、 未消化のイネ科の植物があるのは、このせいだ。 驚天動地の極移動で混乱したヒトとネアンデルタール人は、大移動を開始して遭遇したのだ。 「儂らは、極寒と化した南極大陸で生きてきた。 数万年のうちに、氷を操る(すべ)を身につけてな」 「僕達に感謝してるってのは?」 「ヒトが地球温暖化を起こしたお陰で、儂らはこうして舞い戻ってきた」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加