たけしと洗濯③

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たけしと洗濯③

「ピーッ」 洗濯機が僕の指示通り、忠実に仕事を行い、乾燥を終えたことを告げる。 僕はこの数日で、この洗濯機とすっかり友達になったような気でいる。 初日こそ扱い方に戸惑いはしたものの、それからは本当に強い味方だった。 蓋を開けると、相変わらず桜と桃の服が裏返しで出てくる。表に戻す作業にも慣れ、手際よく畳む。 ただ一つ、変わったことがある。僕の洗濯物だ。 数日前までは、丸まった靴下が乾燥作業をくぐり抜けたにもかかわらず、半乾きで出てくることもあった。しかし、見よ。靴下はもちろん、シャツも、パンツも、ズボンも、きちっと表面で登場する。 「さあ、どうぞ、畳んでください」 と言わんばかりだ。 ひろみは、この僕のちょっとした成長に気付いて褒めてくれるだろうか。いや、きっと気付くのだ。でも、褒めてはくれないか。 「今日は洗濯物、早く畳めちゃった。どうしてかなあ?」 何て言いながら、僕に意地悪く微笑むのだろうな。 そんなことを考えながら、仕事を終えて空になった洗濯機に手を置いた。 こいつとはこれからも長い付き合いになりそうだ。
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