明日世界が滅ぶなら、プリン食べたい

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『今朝のニュースです。今月○○日○○区で起きた殺人事件の容疑者が逮捕されました。容疑者は容疑を否認しておりーー、』 つけっぱなしのテレビの音が部屋に響く。荒れたリビング、それでいて綺麗なシンク。 机に突っ伏したまま動かない空閑に声を掛けた。 「おーい、空閑ー?空閑ってばー」 ピクリとも動かない空閑に死んでしまったのではないか、と不安が過る。 口元に手を寄せれば、微かに息が掛かって死んではいないことに安堵した。 「もう…いい加減にしろよー、くーがー」 むくりと起き上がった空閑に後ろから飛びついた。それにも一切反応を示さない空閑に腹は立つはそれはまあいい。 「空閑、風呂入れよー、飯は?それとも、お・れ?なんちゃってなー!」 総スカンを食らい、ムスッとするがそれでもなんとか動き出した空閑に満足しそこから離れて、彼の様子を見つめる。 シャワーを浴びすっきりしたのか、ソファにどかりと座った空閑の横に俺も座る。 「空閑、あの時は酷い事いっちゃってごめんな、でもお前本当に酷いと思うぞ?俺が女だったら、絶対刺されてたぜー」 「…槙野(まきの)」 「ま、俺に頼ってばかりじゃなくてさ!この部屋の片付けからしたらどうだ?掃除、何気に楽しいぞー」 「槙野」 「なんだよ、さっきから!俺の名前ばっかり呼びやがってー!寂しがりやかー?呼んだって、俺は手伝わないぞー」 「……なんでだよ」 「だって、死んじゃったからね」 俺の名前を呼んで、涙を流し始める空閑を抱きしめる。きっと、空閑を俺が側にいることに気付いていないだろう。それでも抱きしめずにはいられなかった。
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