448. 飯田がお迎えに

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448. 飯田がお迎えに

夜の8時過ぎ。 「こんばんは♪飯田です! 憲一はいる?」 「は〰️い!!尚ちゃん♪今行くね♪」 憲一がお風呂から出て、支度をしていた。 「尚ちゃん?上がって♪ご飯は?」 「うん…お昼が遅かったから。あまりお腹空いてない。」 「そう。それじゃ、プリン食べる?」 「え?プリン?食べる♪」 「ふふふ。尚ちゃんはホント!プリンには、目がないわね♪」 静香はコーヒーとデカプリンをテーブルに置いた。 飯田は大きな口でプリンを頬張り、ペロリと食べた。 「尚ちゃんはプリンは別腹なのね(笑)」 「うん。昔からな!」 「そうだ。尚ちゃん。お風呂に入って行ったら? 仕事で汗かいて、そのまま来たんでしょ? 下着はあるわよ?」 「そっか。そうだな。お風呂よばれるよ♪」 静香は飯田がお風呂に入ると、洗濯機を回し始めた。 そして、静香はおにぎりを発泡スチロールの中に入れて、作ったおかずを6人分を入れた。 飯田が、お風呂から出て来た。 「ふ~♪いい湯だった~。 やっぱ、お風呂に入ると疲れが取れるな(笑) 憲一のお母さんに運転手してもらって、俺達は後ろの布団で寝たいなあ♪」 静香に聞こえるように飯田が言った。 「え?あの大きなワゴン車を? 私が運転で?大丈夫かしら?」 「尚ちゃん!駄目だよ。お母さんは運転下手だから! この間、事故って入院してたし! 暗い夜道をお母さんが運転して、道に迷っちゃったら釣りのフェリーに乗り遅れちゃうよ!」 「うわ〰️!憲一って酷いこと言うわね〰️! お母さんには、容赦ないんだから! 全くもう!」 憲一と飯田は顔を見合わせて笑った。 「出た出た!全くもう!だってさ(笑)」 静香は憲一に言われて、口を尖らさせて怒っていた。 「社長?いいよ。俺が運転して行くから。 大洗に着いたら、車の中で少し仮眠してよう♪ 憲一は車に乗ったら寝てていいからな。」 「うん。でも、あんまり眠くないよ。 今日、昼間寝ちゃったんだ(笑)」 「そうなのよ!憲一ったら、優勝して、ゲームボーイのカラー版が 買いたいみたいで、釣りしている間、眠くならないようにしっかりお昼寝してたのよ! それも2時間!気合い入れすぎよね? 多分、釣りする頃眠くなるわね(笑)」 「え?金一封でゲームボーイのカラー版買うのか? あれは秋口入ってからじゃないと売り出さないぞ?」 「うん!知ってる♪だから、優勝して金一封貰ったらそれまで使わないで取っておくの♪ だって、クリスマスプレゼントまで待てないもん!」 「あら?いつクリスマスプレゼントはゲームボーイなんて言ったの? 今あるスケルトンのゲームボーイはこの間お父さんに買って貰ったらばかりじゃない? カラー版が出たら、ゲームボーイソフトは、使えないの?」 「そうだよ。カラーはカラーのソフトがあるんだよ♪」 「え〰️!それじゃ、今のソフトはどうするの?」 「これはこれで使って遊ぶの! カラーはカラーで遊ぶんだよ♪」 「全く、後から後からゲームが出て…切りないじゃないの!」 「おいおい。社長?社長は今までゲームソフトを売ってたんだよね? そんな事わかってるはずだよね? お店止めたら、急に憲一がゲームで遊ぶのを否定的に考えてるんじゃないの?」 飯田が首をかしげた。 「だって、今までは商売で仕入れも安かったけど、一般客になっちゃうたから、お金が高く感じるのよね。」 「まあな。でも、2000年に突入したらパソコンでのゲームが支流になるだろうけどね。 それは前にも言ったと思うけど… でも、どこでも遊べる子供のゲームは形が変わっても残って行くだろうな。 猫も杓子も携帯電話を持つ時代が来ない限りな。」 静香と憲一は携帯がモノクロだったから、飯田の言ってることがあまりピンと来なかった。 「携帯もそのうちカラー版になる日も近いってことさ。」 「え?カラー版?将来はそうなるの?」 静香の携帯は固定電話の子機のようなもので、それにアンテナがついていた。 メールも50文字位しか打てなく、モノクロで画面も小さい。 やっと漢字が打てるようになった年だった。 携帯も折り畳み式携帯電話はなかった時代。 これがどうゲームと繋がるのか? 静香達は考えられなかったのだ。 飯田は次の年にネットと繋がる携帯が発売されるのを、広告で知っていた。 2000年になって、モノクロからカラーになって行くのであった。 この頃は、急速に時代が変化をしている時だった。
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