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450. いよいよエギング釣果のイカ釣り大会が始まる
コンコン!
車の窓を叩く音がした。
目が覚めたのは静香だった。
あわててドアを開けた。
「あ。大ちゃん。3人で仮眠してたの。皆揃ったってことね♪」
「俺達、途中飯食って来たから遅くなった。
11:40だよ。そろそろ起こさないと思ってさ。
多分、寝てると思って、起こしに来た。
おい!尚ちゃん?憲坊?起きろ!時間だ!」
「う…ん。あ。大ちゃん。起こしに来てくれたのか?」
飯田が起き出した。
「守が作った布団は気持ち良さそうだな(笑)
憲坊は起きないな。
3人で良かったな。
二人っきりだったら危なかったな(笑)」
「やーね。大ちゃん?二人っきりだったら、初めからこの車に乗らないわ。」
ハハハハと大介が笑った。
その声でやっと憲一も起きた。
「おはよう。大ちゃん!」
「おはよう?まだ夜の11:45だよ。
フェリーに乗るから迎えに来たぞ!
今回は賞金付きのイカ釣りだ!
憲坊とどっちが大きなイカを釣るか競争な!」
「え?大人と子供と懸賞金は別だよ?」
「ハハハハ。マリオが言ったんだ!
俺達チームの中でも、今回は懸賞金を出す!
金一封だ!中身は2万円入れたぞ!
今回は帰りは飲まないで帰ることになるから、懸賞金にした。
って言ったんだ。
だから、憲坊ともライバルなんだよ♪」
「ええ!!懸賞金?2万?
凄〰️い!それじゃ、僕が勝った3万円じゃん!
寝てるところじゃない!」
目を輝かせて、憲一は車から飛び出した。
「うわ。夜の5月はまだ寒いね。」
「憲一!風邪引くから、パーカー着てちょうだい。
多分、フェリーの中はごろ寝よ。
毛布も持って!」
「え~。重いよ。お母さん持ってよ!」
「お母さんはお弁当があるの!」
「食糧は俺が持つよ♪朝方、食べるからさ。
戦前の腹ごしらえだ♪」
と言って、大介がお弁当が入っている発泡スチロールを持ってくれた。
「飲み物は俺が持つよ!」
飯田がペットボトルが入ったビニール袋を手にした。
皆で分担して荷物を持ってフェリーに乗り込んだ。
「おはようございます。
皆さん。名前を言ってくださいね。
防災用ベストを渡します!」
ベストには番号が貼ってあった。
いざと言うときに、すぐに名前と番号が一致すると確認が早いからだ。
「ここから、沖に出るにはそんなにかかりませんが、仮眠して頂いてから朝7時から大会は始まります。
ごろ寝ですが、枕と毛布は貸出ししてます!
夜は静かにして、寝ていましょう♪
6時になったらマイクで起こします。
おにぎり、お菓子、飲み物は売店にあります。
おトイレもありますので、
どうぞご利用ください。」
「お母さん?毛布貸してくれるって!重いの持ってきて損したね?」
「いいのよ。ひざ掛けもなるし、外で釣りしながら掛けていられるでしょ?」
「あれ?マリオ達は?」
「ああ。今、売店に行ったよ。
ビール買ってくんじゃねえ?」
大介が言った。
「お母さん。飲み物は売ってるんだから持って来なくてもよかったんじゃないの?」
「いいの!お弁当食べるとき必要でしょ?
でも、マリオ達…ビールって…明日釣りは大丈夫なの?
皆、寝てるから迷惑かけないようにしないと…」
「ドンチャン騒ぎするわけではないよ。
いっぱいひっかけて寝る作戦だよ。
ああ見えても、マリオ兄弟は枕が変わると昔から寝られないんだ。
俺と大ちゃんはすぐに寝られるけどな(笑)」
「そう。繊細なのね💦あ。憲一?もう、寝てる(笑)」
持ってきた毛布にくるまって憲一はすやすやと寝ていた。
ゆっくりとフェリーは沖に進んでいた。
フェリーの音だけが、聞こえた。
マリオ達もビールを一本開けて眠りに入った。
静香はフェリーのエンジンの音と他の家族の話し声が、耳に入って眠れなかった。
30人くらいの人数だ。
朝方4時頃になると、海の向こうが明るくなってきていた。
『あ。歯ブラシ持ってくるの忘れちゃった~。』
トイレから出たら静香は、顔を洗って水だけで口を濯いだ。
6:00
「おはようございます!
そろそろ起きてください!
暖かいコーヒーとお茶はあります。
パンとおにぎりも売店にありますので、お買い求めください。」
船長がマイクで話していた。
いつの間にか、フェリーは海の真ん中で停まっていた。
静香達も6人分のお弁当を分けて、食べ始めた。
さあ。そろそろ7時になる。
皆は外に出て、イカ釣りの用意を始めた。
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