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452. 勝利者チームは?
今日はなぜか静香は調子が良かった。
いや、マリオ達もそれ以上に調子がいい。
今は5月、イカにとっては産卵のピークの季節なのだ。
中でもアオリイカは、エギングでのイカ釣りの代表格となる種類。
春の成体は体長が平均50センチ、重さは5キロを超えるほどになる。
釣り上げると頭は尖っておらず、丸々とした印象が特徴的。
温暖な海を好むアオリイカは、結構大きくなるので、餌を求めてエビに食らい付くのだ。
偽物のエギングにも!
「さすが〰️!マリオだ!5キロはあるんじゃねえ?」
大介が憲一チームに聞こえるように大声で賛美した。
憲一は見たこともないデカさに目を丸くさせた。
「え?お母さんのイカの3倍はあるよね?
イカってあんなに大きくなるの?
あっ!あっちのお兄ちゃんもマリオ位のイカ釣ってる!!
なんて言うの?あのイカ?」
「憲一。あれはアオリイカだ。
お母さんが釣ったのは、まだ子供だ。
アオリイカは1年で長さ50cmまで成長する。
春から夏にかけては1ヶ月に15cmも成長するんだ。」
「え〰️!!1ヶ月で15cm?
僕は2年間で15cmしか成長しないのに〰️。
凄いね~!」
「うん。だから、今の時期が餌欲しさに偽物の餌にさえも食い付いてしまうんだよ。
まあ、だからこの時期は面白いほど取れるんだ♪」
「面白いほど?
僕と尚ちゃんは面白くないよね?
まだ一杯も取れてない…
場所が悪いのかな?」
「あははは。イカももしかしたら敬遠してきたかもな。
だって、周りの仲間達が次々と釣られていくんだ。
頭の良いやつがいて、おかしい?
光るエビに気を付けろ!
って言ってるのかもな(笑)」
そんな事話をしていた飯田にアタリが来た。
「お!憲一もアタリかもだぞ!
一緒に一挙に釣れるかもな♪」
2人の顔はみるみる明るさを取り戻した。
「急いでリールを巻くんだ!」
飯田のは憲一のと違って、糸巻き機釣りリールライン巻き取り機 だったので、楽々自動で巻けた。
飯田は素早く網を持ち、2杯のイカを釣り上げた。
「尚ちゃん!僕のリール巻きは手で巻くから、まだまだイカは海の中だよ~。
早くしないと逃げられちゃうよ~、」
「大丈夫だよ。憲一!焦るな。
このルアーはイカ専門のエギングだから、一度食らい付いたら取れないよ!」
飯田が代わっても良かったが、憲一が初めて釣ったイカに感激して欲しかったから、あえて代わらなかった。
「うわ〰️!重い〰️!何これ〰️!!」
「え?タコだ!水タコだよ!」
飯田は急いで網で、引き上げた。
「スゲー。20キロあんじゃないか?
タコか〰️。イカだったら優勝間違いないなかったな!」
「こんな大きなタコ!冷蔵庫に入らないよ〰️!!」
憲一は一瞬目が輝き、優勝の文字が頭に浮かんだが、タコを釣ってしまって肩を落として出た言葉だった。
「あははは。憲坊?
後でマリオが特別賞やるよ!
それと、タコは買ってもらえ。
後で一緒に金にしよう!」
「うん!それでいいよ♪
マリオが特別賞くれるし、タコが売れるならお金になるから嬉しい♪」
「憲坊は現金なやつだな!」
ガハハハとマリオが笑う。
結局、その後、憲一チームも小さいけど、面白いほどとは行かないけど、ぼちぼち釣れた。
11時になり、皆各々イカの重さを量って、スタッフが集計した。
優勝チームはマリオチームでも、憲一チームでもなかった。
遠くから家族でやって来たチームだった。
「さてと、マリオの仲間の優勝者を発表する!
優勝者は守だ!
悔しいが、流石だと思う。
自分で作ったエギングを皆にくれたんだからな。
尚人も一緒に作ってくれたんだろうけど、アオリイカ6キロはなかなか釣れない。
エギング賞としても優勝だ!
そして、憲坊!!
タコも重量に入れたら間違いなく、優勝だったな。
マリオ特別賞をプレゼントするよ♪」
守は金一封2万円。
憲一は金一封5千円をマリオから貰った!
「タコも売ったら1万円にはなるだろう。
尚人?生きてないと安くなるから、海水入れて運んでやれよ?」
「おう。わかった。」
憲一はインスタントカメラを持ってきていた。
自分が釣ったイカやタコをパチパチと撮っていたのだ!
ターミナルに着くと、一行はいつもの買い取ってくれる所に足を運んだ。
憲一の釣ったタコはキロ600円で売れた。
「やった~!12000円だ〰️!!」
憲一はぴょんぴょん跳ねながら、喜んでいた。
「尚ちゃん?イカは私達は食べるだけあればいいわ。
お母さん達に3杯あげればいいし、10杯もあれば間に合う。
後は尚ちゃんのお店で使ってね♪」
「え?いいのか?それじゃ、明日は限定メニューのイカフライにでもするかな?」
「そうね。いいかも!」
「それじゃ、岡野さんは明日はイカの皮むきな。」
「え〰️。面倒〰️。」
「お母さん?イカは新鮮なうちに皮をむくと簡単にむけるんだよ?」
「おっ。流石♪憲一?良く知ってるね♪」
「うん。お父さんから聞いたの♪
だから、家に帰ったら3人で皮むきしよう!」
「そっか!そうだな。
皮むきの練習もかねてやるか。」
「うん!夕飯はイカフライにしよう!」
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