461. みよばあへのお見舞い

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461. みよばあへのお見舞い

ルルル。 白石が帰って間もなく、電話が鳴った。 「もしもし?あ。お母さん? わかったわ。今から行くよ。 お昼はイカ飯作ったから!持ってくね。 そう。憲一がお母さんのレシピ通りに作ったらちゃんと出来たの♪ じゃあね。」 「よしばあ?何だって?」 「イカ飯のレシピは役にたったか?って。 それでね。今日も朝、貧血で起きられなくて薬を飲んだら治ったんだって。 お昼、何か買ってきてって言われたからイカ飯持っていく♪って言ってのよ♪」 「え?また、お昼はイカ飯なの? 僕、違うの食べたいな。 なんかさ。この頃イカ尽くしで飽きちゃった💦」 「それじゃ、スーパーの近くの『すき屋の牛丼』でいい?」 「うん。肉大盛つゆだくで♪後デザートにアイスも♪」 まったく、誰のお見舞いだがわかりゃしないわね! 口に出すと、又喧嘩になるから、母親に言われた事を思いだし、母親らしく憲一に言った。 「それじゃ、アイスは3人分買ってお見舞いにしましょうね。」 「うん!」 まったく、調子のいい息子だ。 これが又、みよばあの前だと出来のいい孫に変身するから、大した息子なのだ! 「こんにちは~♪ みよばあ?ひんけつ?大丈夫?」 「ええ。大丈夫よ。お薬飲めば治るんだから、大した事はないわ。 明日は検査結果を聞きに行くけど、静香?休めるの?」 「うん。明日はチーフのお母さんが手伝いに来てくれるから、大丈夫よ♪」 「あら。旦那さんが入院して大変な時に?」 「入院してるから、手が空くのよ。 退院したら、本当に車椅子の生活だから、それこそチーフのお母さんが大変よ。 今は看護師がやってくれるから安心して任せられるけど、家に帰ったら、それこそチーフのお母さんは毎日が大変なんじゃないかな?」 「そうね。お父さんが今もベッドに横たわっていたら… 私が貧血の前に、過労で倒れていたわね。」 「おじいちゃんは脳の血管が切れちゃたんだよね?」 「そうよ。くも膜下出血だったのよ。」 「脳って血管が切れても詰まっても大変な所なんだね!」 「そうよ。脳ミソが体を動かしているんですもの。 右脳か左脳の血管の部分に病気が出来ると言語障害や手足の麻痺になるのよね。 三大成人病って言われて、脳、ガン、心臓の病で亡くなる人が多いみたいだから… どれかに当てはまって死ぬのも嫌よね…」 「もう!お母さん。ネガティブに考えないで! ご飯が美味しく食べられるんだから、健康に決まってるでしょ! お母さんはただの貧血よ! もう、お昼過ぎたわ。 イカ飯を炊飯器の中の釜ごと持ってきちゃったから、食べましょ♪」 皿に盛って、静香と母親はイカ飯を食べた。 憲一だけ、牛丼を食べた。 「美味しく出来たわね。 それにしても、見たこともない大きなイカだこと!」 「これはね。イカの王様って言われてるアオリイカって言うんだよ♪ ここら辺のスーパーでは売ってないんだよ。 僕が釣ったんだよ♪3キロあったんだ♪ お母さんは釣った数が多かったけどね。 それとね。ぼくね!タコを釣ったんだよ♪ バカチョンカメラで撮ったの♪ 見てみて♪みよばあ♪」 憲一は自慢気に鼻息を荒くして、写真を見せた。 「わ~♪凄いわね♪憲一がタコを釣ったの?」 「20キロあったんだよ♪ 本当だよ!ほら、売った伝票だよ♪」 憲一はみよばあに見せるために、ズボンのポケットに忍ばせていた。 「憲一?いつの間に? 抜け目無いわよね〰️。」 「だってさ。前にさ。カジキ釣った時、証拠が無かったから、誰も信じてもらえなかったから! 釣りに行く日はバカチョンカメラは持って行くことにしたんだ♪」 みよばあは微笑ましく思えて、憲一におこずかいをくれた。 「うわ~♪ありがとう♪みよばあ♪ だから、みよばあは大好きだよ♪」 うわ〰️。出た出た。おばあちゃん落としの殺し文句! 「憲一のお見舞いに来たんだっけ? なんか、憲一だけ得してない?」 「静香?また、子供と同じになってるわよ。 母親らしく、言葉を選ばないと!」 「はいはい。分かりました! みよばあのお見舞いに来たんですからね。 デザートのアイスがお見舞いです。」 憲一が冷凍庫を開けて、すき家のアイスクリームを取り出した。 「あら。ありがとう。すき家のアイスクリーム? 始めて食べるわ。美味しいわね。」 親子3人で食べる食事は美味しい。 明日の検査の結果は何でもないといいなあと思う静香だった。
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