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465. 静香の妊娠?その先の行方は?
「まだ…妊娠しているかどうかなんてわからないわ。
お母さんの事があったから、そっちが心配で…精神的にナーバスになっていたから、本当に遅れてるだけだと思うから。
生理ってとても精神的ダメージに弱いものなの…」
静香はそう言うのが、精一杯だった。
「そうか。そうだよな。この2週間。静香は母親の事で頭が一杯だったもんな。
俺が静香の心の支えになってあげないとな!
とにかく、もし、妊娠していたら…
俺が旦那と話し合うから!
例え、旦那の戸籍に入ってしまっても離婚を成立させて、静香と半年後に籍を入れる!
俺はその覚悟は出来ている!
来月の第2土曜日の夜に俺は静香の旦那に妊娠させたことを言いに行くよ。
殴られても蹴られても俺は静香を守る!
憲一は許してくれないかも知れないな。
こんな形で静香と一緒になるのは望んで無かったけど…
お腹の子を旦那の子供だなんて、周りから思われるだけでも俺は嫌だ!」
「尚ちゃん…」
どうしよう💧尚ちゃんは本気だ。
本気で旦那の所に乗り込んで来るつもりだわ。
憲一が許すはずがない!
「尚ちゃん?その話は待ってくれる?」
「え?なんで?」
「憲一に嫌われたくないの!
母親としてもあるけど、師匠として尊敬している尚ちゃんを…
9歳の子に大人の恋愛なんてわからないと思うから。」
「じゃあ!どうするの?
俺は黙って身を引けと言うのか?」
「違うわ!とにかく、順序が逆よ!」
「え?逆?」
「そうよ。直ぐに出て行けるわけないじゃない?
憲一が1人になっちゃうわ。
旦那が連れて行くなんて事出来ないから、実家のお母さんがみることになるでしょ?
まず、アパートを借りてそれから、旦那に手紙を書いて社宅に送るわ。
そうすれば、お互い少しは冷静になって話し合う事が出来るから…
それから、3人で社宅で話し合いましょ!
その順序でいいかしら?ね?
でもこれは、私が本当に妊娠していたらの話よ。」
「う…ん。そうだったな。
今は静香の母親の病気の心配もあるしな。
俺の方も親父が入院してるから、静香と暮らすスペースはあっても、お袋が承諾するはずもないしな。
アパートはマリオに言えば2、3日で見つかるしな。
焦る事はないな。俺は待ってる身だからな。
確かに、憲一に嫌われるのはこたえるな。」
「うん。尚ちゃんと憲一を引き離す事だけはしたくないの。」
「うん。ありがとう。静香。」
飯田は静香を抱き締めると、口付けをした。
「本当は、静香に子供が出来たんなら喜ぶところなんだよな。
女の子かな?男の子かな?
名前はなんて付けよう♪
お父さんか~♪って…
それがさ。何で俺の子供なのに旦那の子供になってしまうんだよ!
離婚して、俺と再婚して…
この子を子供として育てるのが当たり前なのに!
養子に戸籍はなっちゃうんだよな?
大きくなって戸籍を見て俺の『子』ではなく『養子』では…
信じてもらうには、DNA検査してこうなった馴れ初めを話していかないと…
子供も納得しないよな?
だけど…不倫して出来た子供なんて知ったら…
それはそれで子供もショックだし…
その時の子供の反応にも俺としては覚悟をちゃんとしていないといけないんだよな?」
え?DNA検査?
もし、その時…自分の子供じゃないと知ったら…
静香は自分の罪の重さに、心が砕けるのを覚えた。
どちらにしても、産まれてきてはいけない子なんだ…
やっぱり…おろすしかない…
静香は独りでそんな思考に苛まれていた。
そして、そんな考えに静香は涙した。
「静香?産まれてくる子供に罪はないからね。
元気な赤ちゃんを生んでくれよ♪
俺は静香もお腹の中の子供も幸せにするからな!」
飯田は静香を優しく抱くと、ベッドに押し倒して、着ていたバスローブを脱がしていった。
いつもは燃え上がる飯田とのセックスも、今夜は義理に感じるのが静香の本音だった。
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