466. 胃カメラ(内視鏡)検査で

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466. 胃カメラ(内視鏡)検査で

そして、母親を連れていく月曜日になった。 まだ、生理は来ていなかった。 母親には黙っているしかなかった静香だった。 「子宮の検査の結果が怖いわ。 それに、大腸検査も2リットルの水を飲むのかと思うとため息しか出ないわ。」 覚悟はして、病院に向かったがやはり、初めての検査には母親も不安のようだった。 「大丈夫よ。何ともないわよ。 上から下から管が入るのは、誰も嫌だけど… 先生も見ないとわからないから、仕方がないわ。 一緒に中に入って居てあげるからね。」 「なんか…恥ずかしいけど、そんな事言ってられないわよね。 よろしくね。 後で聞き取れないときは静香に聞くから、ちゃんと先生の言葉を聞いて教えてよ?」 「うん。大丈夫よ。わかったわ。 それと、もし、大腸ポリープがあって大きくなっているときはその場で切除するって言ってたけど… とりあえず、1泊2日の入院の用意はしてきたんでしょ?」 「ええ。一応は持ってきたわ。 大腸ポリープは小さければ、切除しても直ぐに帰れるみたいだけど… 大きいのや、何個もポリープを切除するときは出血が直ぐには止まらないから、1泊して様子観るとも聞いたわ。」 ふう~っと母親は大きなため息をした。 「お母さん。これで検査は終わりだから! 何ともないから、元気出してね。」 「わかってるわ。とにかく、検査が苦しいって思うとため息が出ちゃうのよね…」 「胃カメラが苦しい時は口の中の麻酔を少し多めにしてもらうとか、手はあるから我慢しないで言ってね。 私が先生に話してあげるから!」 「ええ。お願いするわ。 頼りにしてるわ。静香!」 病院に着くと、予約なのか直ぐに母親は診療室に入ることができた。 「関根さん。子宮は何でもありませんでした。良かったですね♪」 主治医が笑顔で答えてくれた。 「あー。良かった。」 母親は胸を撫で下ろして安堵した。 「それじゃ、大腸検査の用意が出来ているので、看護師の指示に従って移動してくださいますか?」 母親は看護師に言われた部屋に入った。 「娘さんですか?」 「は、はい!」 「これから2時間の間に2リットルの下剤入りの水を飲んで頂くので、2時間後にここに来ていただけますか? それから、大腸の内視鏡検査になりますので、よろしくお願いします。 胃カメラも一緒に行いますね。」 うわ〰️。結構キツそう! 「わかりました。母親をよろしくお願いします。」 そう言うと、静香は病院の道を挟んだ真ん前のマクドナルドに行って時間を潰した。 2時間後、母親の所に戻ると、青い顔をして母親が座っていた。 「お母さん?どうしたの?貧血でも、起きたの?顔色が真っ青よ。」 「違うの。この水の下剤が効きすぎて…お腹が痛くて…気持ち悪いの…」 「関根さん。少しこちらのベッドで横になってくださいますか? ちょっと、その様態では直ぐに検査は出来ませんので… 下痢の方は……全て出し切って いるので、少し寝ていれば収まると思います! こちらにどうぞ。」 「お母さん?苦しそうね? もう少しの辛抱よ。」 「そうね。昨日の夜も今朝も何も食べてないから… それなのに下剤入りの水を2リットルも飲まされて… 無理やり下痢させられて…死にそうよ。」 「お母さん?頑張って! 今日やらないと、また初めから同じ事をしなくちゃ行けないから、余計辛いでしょ?」 「もう!二度としたくないわ! 休めば治るわ!」 また、トイレに駆け込んで、母親は1時間後ようやく正常に戻った。 最初は大腸検査。次に胃の検査でカメラ(内視鏡)で調べていった。 大腸ポリープは3つ見つかって、切除した。 胃カメラ(内視鏡)では胃腸の中は癌を確認することは出来なかったが、先生が 「十二指腸潰瘍だな。あ、すい臓に癌を発見!」 静香は先生の一言で、全身が凍りついた。 母親は胃カメラ(内視鏡だが昔は結構太かった)が入ると嘔吐したので、麻酔で寝ていたのだ。 「え?先生?…すい臓癌…ってことですか?」 「多分…とりあえず、細胞の一部を内視鏡で取り出して調べます!」 先生はたんたんと事を済ませて、胃カメラ(内視鏡)検査を終わらせた。 「関根さんは一泊入院してもらいますね。 ポリープも3つ取ったので、かなり出血しています。 ポリープも癌センターで調べます。」 看護師に入院する病室で言われたときは、母親も麻酔から覚めていた。 「お母さん。大丈夫?胃カメラの方も胃の中は何でも無かったけど、十二指腸潰瘍みたいよ。 それと、すい臓の細胞の一部を取って調べるって言ってた…」 静香は母親にすい臓癌かもとは、言えなかった。 先生も断定していなかったから、先生の口から全てを聞いた方がいいと判断したのだ。 「そう…十二指腸潰瘍だったの…今回はそれでも一泊で帰れるのね? 静香、悪いけど明日の仕事の帰りにお迎えに来てくれる?」 「ええ。4時半には来られるわ。」 母親の昼食は遅くなったが、おかゆが出た。 静香は母親がおかゆを食べ終わって、ベッドに横になるまでいてあげた。
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