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470. 検査の最終結果は?
「終わって見ると、エッチしたかったのは俺じゃなくて静香だったんだな(笑)」
飯田は運転席に戻ると、静香に囁いた。
「え?」
違うわ。義理よ!
と言いたかったが、塩吹いて喜んでいた体は紛れもなく静香だった。
イかなくて可哀想と思ったからフェラしてあげた…?
いえ、あれも自然に咥えたのだ。
したかったのは事実だ。
したくなければ、拒否すれば良かった話だった。
なのに、心と反比例するほど、あんなに体は喜んでいたんだ。
「それは…尚ちゃんが上手いから…体に電流が流れちゃったの…」
「え?電流?ハハハ。そうだろ?俺じゃなきゃそんなセックスは出来ないもんな♪
それじゃ、これからも静香の心が沈んでいるときこそ、エッチしような♪(笑)」
いつものワンコイン駐車場に戻って来ると、フレンチ・キスをした。
「じゃあ。またな。今度はお店に来るのは火曜日かな?
お袋さんの結果がどうあれ静香は1人でもう、悩まないこと!
俺も白石さんもいるんだからな!」
「尚ちゃん…うん。ありがとう。」
静香は手を振って帰っていった。
全ての結果がわかる月曜日になった。
「関根さん。7番にお入りください。」
9時過ぎると、すぐに主治医に呼ばれた。
主治医の机の上のカメラで映した映像のパソコンを見せてくれた。
「こちらが、大腸ポリープの出来ている場所の写真。
こちらが、ポリープを切除した写真です。
ポリープは癌センターで調べた結果、悪質腫瘍ではありませんでした。」
母親の顔は安堵の顔に変わった。
「次は胃ですが、胃は綺麗ですが、十二指腸が潰瘍の所があります。そして、すい臓ですが半分が悪質腫瘍が出来ています。」
「え?先生?今なんて?悪質?腫瘍?」
「はい。いわゆる癌です!」
母親の顔はみるみる血の気が引いて、真っ青な顔になった。
「関根さん?癌だからと言って、治らない訳ではありませんよ。
この場合、すい臓を半分摘出して、リンパ腫になるのをふさいだほうが懸命かと思います。」
「すい臓を半分摘出?
それをしないとリンパ腫になるんですか?」
「関根さんの場合は
膵頭十二指腸切除術になります。
がんが膵頭部にある場合に行われる方法で、十二指腸、胆管、胆のうを含めて膵頭部を取り除きます。
切除後は、残った膵臓を小腸につなぎ、すい液が小腸に流れ込むようにします。
腹部外科領域ではもっとも大きな手術で、入院期間も約3週間と長くなりますが…
手術後、経緯を見て放射線治療もするかも知れません。
すい臓を少し残すので、リンパ腫になるのを防ぐためです!」
「え?3週間の入院?
大きな手術なんですか?」
「はい。手術は早い方がいいですね。
リンパ腫になったら助かる見込みが低くなりますからね。
今日は月初めの月曜日ですから、出来れば6月半ばまでに手術の覚悟をお願いします。」
「手術の覚悟…ですか…
わかりました。来週の月曜日に来ます!」
母親は母親なりに手術の覚悟をしたようだ。
「わかりました。
こちらは最善を尽くしますから、来週の月曜日に入院するのでしたら手術は入院してから、3日後に行います。
3週間は入院しますので、そのように娘さんと相談しながら計画を立てて病院に来てくださいね。」
「わかりました。」
今日は薬もなかったので、すぐに帰宅することが出来た。
「静香。入院するパジャマとか、下着やタオルを多めに買いたいわ。」
「わかったわ。しまむらに寄るね。」
途中、入院で使用するものを色々買って、帰宅した。
*23年前は自分で何でも用意する時代だった。
今は、病院側の置いてある物をレンタル(下着以外)する時代になりましたね。
今度の土曜日は旦那が帰ってくる日だ。
とりあえず、母親がすい臓癌の手術をするために入院する事をメールした。
『土曜日帰ってきたら、夕食はよしばあも誘って皆で、うな重を食べようか』
とメールが来た。
静香は『そうね。そうしましょう』
と返信した。
母親は土曜日の夜なら、何でも好きなものが食べられる最後の晩餐だからと喜んで承知した。
土曜日の前の日の金曜日。
「静香。静香はいつも母親の前では笑顔でいてあげなよ。
母親は娘の笑顔が病気を抜き飛ばすからね。」
白石が賄い飯を食べながら、静香に言った。
「うん。ありがとう。加奈さんにそういってもらうと、母親の前では頑張って笑顔を向けられるよ。
チーフも月曜日は毎週お休みくれて、ありがとうございます。」
「気にするな。お袋が週に2日は大丈夫だと言ってくれてる。
入院3日後に手術なら、
木曜日も休んでいいよ。
お袋に頼むからさ。」
「あ。ありがとうございます。
そうして頂くと助かります。」
賄い飯を食べ終わった白石が
「それじゃ、今度静香に会うのは来週の火曜日かな?
お母さんにお大事にって伝えてくれよな。」
「うん。ありがとう。」
白石は手を振って帰っていった。
二人っきりになった飯田は
「静香も色々入院準備に忙しいだろうから…
ホテルは我慢するけど…
倉庫でフェラだけ…いいかな?
ダメ?」
二人っきりになると、飯田は甘えた。
もう、1週間になるんだ。
生理も来ない。
もう、妊娠決定だった。
静香は黙って頷くと、飯田に手を引かれて倉庫に向かった。
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